”Steve Jobsの考え方について書いた「スティーブの頭の中」(Inside Steve’s Brain)という本に、以前のApple社長だったJohn Scullyのインタビューが載っています。Scullyによれば、Jobsは常にユーザのことについて考えているのだけれども、「マーケティング」などと称して「ユーザの声」を聞いたり評価を行なったりすることはなく、「グラフィック計算機を見たこともないような奴等にGUIについて聞くなんてありえないだろう」と言っていたのだということです。芸術家が絵を描くときにユーザグループを作ったりしないのと同じように、Jobsは何が欲しいかユーザに聞いたりしません。その昔、自動車王Henry Fordは「何が欲しいか客に聞いたら、もっと速い馬が欲しいというだろうね」と言ったそうですが、ユーザの意見をもとに新しいデザインを考えることはできません。何かを設計する人は、将来のユーザが満足するであろう新しいインタフェースやデザインを発明する能力が必要なのです。
第25回 ユーザは使いよう | WIRED VISION